ビジネス文書における項番のルール

社会人にれば、メールであったり、提案書であったり、マニュアルであったりという文書を作成する機会が増えます

こういった文書は、人に読んでもらうこと前提であったり、後々に残すこと前提であったりします

学生時代に、論文等を書いて慣れている方もいますが、社会人になって始めて「文書」を作成する方もいます

長文の文書については、読みやすさ、参照のしやすさなどの観点からページ番号と項番をつけると良いです

なぜ項番が必要か

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文書を作成する際に項番は必ずつけましょう

ウァブ上の文書には、項番が無いものが多いため項番の必要性が伝わっていないかも知れません

しかし、ビジネス文書においては項番は以下のような効用があります

文章の構造が明確になる

章立てを行いその中で、更に章を分割するといった場合に単なる箇条書きやタイトルの強調だけでは、構造が伝わりにくいです

参照の指定がしやすくなる

私は、官公庁を顧客として仕事をしたことがあるため、項番についてはこちらの効用を、強調されました

官公庁の文書の究極は法令です

法令にはすべて項番がされており、その項番を指し示して日々の業務の根拠としています

裁判で、「刑法何条何項により、…」というように必ず準拠する法律や法令を項番で示します

このルール、官公庁で作成する文書すべてに当てはまるのです

文書のすべての章や節に項番が振られていることで、他の文書で何を根拠にしているかが明確になります

そのため、官公庁においては、我々のような外部業者が作成する文書でさえも、ルールに沿った項番を振るように要求されました

正直面倒と思う所もありましたが、文章が積み重ねられている内に、参照先が明確であることの効果を確かに感じることができました。

主なルールは2種類もおすすめは、科学論文ルール

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以下のように主なルールは2種類しかありません(他は、その亜流です)

公用文ルール

大項目、中項目、小項目、細目、細々目について、各々数字や文字など順番がハッキリしているものを割り当てます。

大項目  1,,2,3

中項目  (1)、(2)、(3)

小項目 ア、イ、ウ

等々

メリット

基本的には、項番そのものの文字数は多くても三文字((1)など)なので、深い文書のこうぞうになっても、文書の体裁が整いやすいです

デメリット

ルールを理解していないと構造がわかりにくいです

例えば、(2)の項番の章を読んでいるときに、項番だけでは全体のどの部分を読んでいるかを把握することが難しくなります

科学論文(作文)ルール

章立てが深くなるにつれて、ピリオドで数字をつないでいきます

1.、1.1、1.1.1

メリット

文書の構造がわかりやすい。今自分がどの章のどこを読んでいるかがはっきりわかる。

文章の構造が深くなっても、シンプルなルールでいくらでも構造を深くできる(構造の深い文書が良い文書かという問題はおいておいて)

デメリット

項番の長さががどんどん長くなる。結果として、項番が深いところで長いタイトルが使いにくい

というメリデメがあるものの、私自身は科学論文ルールがシンプルかつ柔軟なのでおすすめです

チーム内でも決めごとが少なくて済むため、複数名で文書を分担して作る場合も、修正等が発生しにくいです

以下のブログにより具体的な例があがっています

文章を書くときの項目番号の付け方(「公用文方式」と「理科系の作文方式」)

余談 ①②問題

実は、文書の項番として①②を使うべきか否かは議論が別れることがあります

結論としては、使って良いと思います

私は①②③の丸数字は、文書の項番としてではなく手順や順位など順番を示す必要があるときに利用しています(項番の体系には含めません)

かつて官公庁むけに仕事していた時の仕事先のルールに従っているのですが、そのような使い方をする番号体系を別に用意しておくとそれはそれで便利です。

丸数字については、パソコン/ワープロの出現前の手書きで文書を作成していたころにはよく使われていた番号体系だったこともあり、ワープロ等で文書を作成していた1990年台の初めは、しきりにつかわれていました

しかし、95年ころからのパソコンにワープロが置き換わっていった時代に、丸数字に対応していないシステム(銀行系のメインフレームやUNIX、Macなど)がありそれらとの互換性の問題から使うべきでないという議論がありました

また、当時の①②③~⑳までしかなく項番として使うのには少し適切ではありませんでした

ただ、現在ではほとんど全てのコンピュータ環境で①は表示されるようになりましたし、①~㊿まで使えるようになっています

そのため、丸数字を使うことの問題はなくなっていると思います(㊿以上の何かを列挙するときにつかうべきではありません)

以上 文書における項番ルールについての記事でした

まとめ

− 長いビジネス文書を作成する場合、項番があれば、参照しやすくなる

− 公文書ルールと科学論文ルールがあるが、科学論文ルールがお薦め

− ①、②という番号を使うのは議論が分かれるが、使っても良い

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