突然の上司の心変わりや顧客からの要求変更。腹立たしい気持ちになりますし、突っぱねたい気持ちになることも多々あります

ただ、単純に突っぱねるのではなく、相手の立場や仕事の見方を少し理解すれば、落としどころをみつけることができるかもしれません

 

遅すぎるということはない

多くの仕事において最善の方法が見つかったらそっちに方針を転換することに遅すぎるということはありません

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最善の方法(少なくとも今より良い方法)が見つかったにもかかわらず、今のやり方に拘泥するのは最終的にはより多くのものを失います

私自身は、あるシステム開発の現場にいたときに上司にこの点を諭されました。

その現場では、システムの土台(アーキテクチャ)の選択を誤り、開発しようとしているシステムの設計に重大な問題が発生しつつありました

私自身は、そのプロジェクトに当初から参画していたこともあり、何とかその問題を解決しようと奮闘していましたが、なかなか妙案がなくスケジュールだけが着々と遅れているような状況でした

突然参加してきた上司は、アーキテクチャを変えると言い出した

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二の句が継げないとはこのことでした

そんなことをすれば、それまで作ってきた設計書もプログラムも多くが作り直しになります

これまでにかけてきた労力が無駄になりますし、何より間違いなく納期通りに製品が仕上がらないのが目に見えていました

それでも、上司は、冷静に以下の点を指摘しました

  • 脆弱な、アーキテクチャにより今後無駄にされるであろう開発工数について
  • 顧客はその脆弱なアーキテクチャの上に開発されたシステムを、今後使い続けることになること
  • そのために費やされるトータル工数とこれまでにかけてきた工数との比較

ちゃぶ台返しに根拠はある(こともある)

ともすれば、直近のスケジュールの遅延等で目がくらむこともありますが、自分より長期スパンでものを見てる上司や顧客は、それなりの根拠を、もって話をしています

少なくとも、私の対応してきた顧客はそうでした

だからこそ、顧客のちゃぶ台返しにただ腹を立てたり、反発するのではなくその真意を理解することが必要になります

理解すれば、落としどころが見つかる

先の例では、上司は繰り返し「遅すぎるということはない」と言うことを強調しました

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開発、リリースを目前に控えた自分たちの目にはプロジェクトの半ばを過ぎた時点と見えていたものが、上司の目からは製品ライフサイクル全体で見れば序盤にしか過ぎないと見えていたのです

実際、そのシステムは私達の予想を大きく上回る10年以上利用されるシステムになりました

そう考えると確かに開発の時点で途中であってもより安定した土台に乗り換えることは正しい判断であったと今では思います

その時は、上司の強い意志に押され大幅な方針変更を行いました

但し、そのためにプロジェクトメンバーの増強やスケジュールの引き直し等必要な手だてをうち、顧客との粘り強い交渉をした末にです

ちゃぶ台返しの背景に想いをはせよう

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私自身もそうですが、一度決めて走り出した仕事に対して、いきなり別のアイデアを入れようとして無理をさせられるのは嫌です

もちろん、自分がやってる仕事に対して今やっている方向性とはまるで違うアイデアが浮かぶこともあります

そんなときも、これまでに積み上げてきた仕事が無駄になることにおののいて、そのアイデアに踏み切れないこともままあります

それでも、そのちゃぶ台返しのアイデアの背景をキチンと自分で考えてみるべきです

そのアイデアの出てきた背景が、単なる気まぐれでないのか、以下のような視点で吟味すべきです

  • 今まで誰も気づいていなかった視点(先程の例では、プロジェクトスケジュールではなく製品ライフサイクルまでみる視点)からのアイデア
  • 別の重要な関係者にとっての利害にからむアイデアなのか

背景に正当性があれば、一度や二度そのアイデアを却下したとしても、そのアイデアは必ず浮上してきます

遅すぎるという理由しか、そのアイデアを否定する理由がないのであれば、どうやればできるかというモードに切り替えてみるべきです

自分の頭で考えよう

ちゃぶ台返しにあったとき、自分が納得できぬまましぶしぶ無理することほど無駄なことはありません

その背景に思いをはせ、自分なりの納得感を得た上で仕事に取り組むのが最も生産的です

否定するにしろ、そのアイデアが出てきたアイデアの背景まで踏み込んだ上で議論ができれば、アイデアを出した人を納得させることが、できるはずです

サンクコストの罠

実は、ちゃぶ台返しされたときに一番、心をよぎるのは、「これまでやってきたことが水の泡」という感情的なものです

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企業などの事業戦略などを手がけると、撤退や方向転換をすべきときに同様の罠に陥ります

すなわち既に投資してしまった労力やお金を思って的確な判断が鈍る現象です

この既に投資してしまったものを「サンクコスト」と呼びますがビジネスの上ではこれにとらわれてはならないともされています

ちゃぶ台返に腹を立てる前に、その背景迄考えて少し冷静な対処をしましょう

もちろん、繰り返す上司や顧客は話は別です。付き合い方を考え直しましょう

以上 ちゃぶ台返しにあったときに考えるべきポイントについての記事でした

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